2016年 01月 23日
「とにかく、とにかく、体にはさわらないで」 |
研修講師を務めていると、自分自身が学ぶことも珍しくありません。しばしば、受講者から有益な問題提起を受けます。先日も考えさせられるできごとがありました。
ある会社でハラスメント防止研修を実施したときのこと。例によってグループ討議の後で何人かの受講者に発表してもらったのですが、あるグループの受講者(女性)のセクハラに関する発表の中で出てきたのが表題の言葉でした。かなり切実な訴えでした。女性にとって如何に身体接触がいやなものなのか、あらためてよくわかりました。
身体接触は、人によって受け止め方が大きく異なるようです。悪気はないのだけれどついつい無意識に他人に触れてしまう人もいれば、ほんの僅かな接触でもかなり不快感を抱く人もいます(私はどちらかと言えば後者です)。前者のようなタイプの人は、まさか自分の行為が一部の他人に相当な苦痛を与えているなどとはなかなか気づけないことでしょう。ただ、少なくとも現代では、不必要な身体接触は典型的なセクハラと捉えられています。そもそも、握手を除けば、通常の会社組織において身体接触が業務で必要なケースなどあまりないはずです。男性が女性に触れるのはもちろんのこと、男性が男性から触られることもいやだと感じるケースは結構あるようです(私もよくわかります)。だから、ついつい他人に触れてしまう癖がある人は、早めに直しておいたほうがいいかもしれません。
と、ここまで書いてきたところで、タイムリーな記事に気づきました。つい4日前、1月19日の日経新聞夕刊「こころの玉手箱」というコラムで、IHI会長 釜和明さんがこんなことを書いています。米国駐在中の体験談です。
「・・・セクハラや偏見にも敏感になった。女性社員と2人で食事に行くのはご法度、軽い気持ちで女性社員の肩をたたくと1万ドルの請求につながると注意された。・・・」
今から20年以上前の話ですが、当時から既に米国ではそれくらい身体接触に対する意識が高かったようです。日本も徐々にその水準に近付いていくことでしょう。そういえば、私自身も同じような話を聞いたことがあります。「海外子会社に勤務する日本人男性社員が、深く考えずに現地女性社員の体に触れた。そのことが大問題となり、結局その日本人男性社員は任期半ばで(実質的に)強制送還された」。海外では日本以上に身体接触に敏感であるべきなのは間違いありません。
ちなみに、体にさわるのが商売であるような相撲取りでさえ、やはり不用意な身体接触は苦手であるようです。「花道でお客さんからさわられたせいですっかり調子を崩してしまった」という話を聞いたことがあります。日本代表クラスの女子サッカー選手も、ファンに対する要望として、「体にさわらないで」と言っていました。いろいろな意味で、他人の体にはできるだけさわらないほうがよさそうです。
ある会社でハラスメント防止研修を実施したときのこと。例によってグループ討議の後で何人かの受講者に発表してもらったのですが、あるグループの受講者(女性)のセクハラに関する発表の中で出てきたのが表題の言葉でした。かなり切実な訴えでした。女性にとって如何に身体接触がいやなものなのか、あらためてよくわかりました。
身体接触は、人によって受け止め方が大きく異なるようです。悪気はないのだけれどついつい無意識に他人に触れてしまう人もいれば、ほんの僅かな接触でもかなり不快感を抱く人もいます(私はどちらかと言えば後者です)。前者のようなタイプの人は、まさか自分の行為が一部の他人に相当な苦痛を与えているなどとはなかなか気づけないことでしょう。ただ、少なくとも現代では、不必要な身体接触は典型的なセクハラと捉えられています。そもそも、握手を除けば、通常の会社組織において身体接触が業務で必要なケースなどあまりないはずです。男性が女性に触れるのはもちろんのこと、男性が男性から触られることもいやだと感じるケースは結構あるようです(私もよくわかります)。だから、ついつい他人に触れてしまう癖がある人は、早めに直しておいたほうがいいかもしれません。
と、ここまで書いてきたところで、タイムリーな記事に気づきました。つい4日前、1月19日の日経新聞夕刊「こころの玉手箱」というコラムで、IHI会長 釜和明さんがこんなことを書いています。米国駐在中の体験談です。
「・・・セクハラや偏見にも敏感になった。女性社員と2人で食事に行くのはご法度、軽い気持ちで女性社員の肩をたたくと1万ドルの請求につながると注意された。・・・」
今から20年以上前の話ですが、当時から既に米国ではそれくらい身体接触に対する意識が高かったようです。日本も徐々にその水準に近付いていくことでしょう。そういえば、私自身も同じような話を聞いたことがあります。「海外子会社に勤務する日本人男性社員が、深く考えずに現地女性社員の体に触れた。そのことが大問題となり、結局その日本人男性社員は任期半ばで(実質的に)強制送還された」。海外では日本以上に身体接触に敏感であるべきなのは間違いありません。
ちなみに、体にさわるのが商売であるような相撲取りでさえ、やはり不用意な身体接触は苦手であるようです。「花道でお客さんからさわられたせいですっかり調子を崩してしまった」という話を聞いたことがあります。日本代表クラスの女子サッカー選手も、ファンに対する要望として、「体にさわらないで」と言っていました。いろいろな意味で、他人の体にはできるだけさわらないほうがよさそうです。
by sendanaoto
| 2016-01-23 11:37
| ハラスメント
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