2018年 06月 09日
プロスポーツ選手の要件とは |
先月、名古屋グランパスでリスクマネジメント研修の講師を務めました。今年の2月にはJリーグ全クラブの新人を集めた新人研修でしゃべりましたが、個別クラブを訪問したのは9年ぶりです。
Jリーグクラブの研修においても、一般の研修同様、私自身がいろいろ有益な問題提起を受けることは少なくありません。今回、選手達とやりとりしている中で考えさせられたのが、「プロスポーツ選手の要件とは何だろう」ということでした。もちろん、これまで様々なスポーツ選手達に接してきた知見などを踏まえ、私自身、日頃からあるべき「プロ選手像」は抱いていますが、それが万全なのか、という懸念が生じました。
Jリーグの選手は誰もが強烈なプロ意識の持ち主ですが、それでも100人の選手がいれば「プロの要件」だって100通りはあるわけです。まして、社会一般においては、捉え方にはさらにばらつきがあります。私自身はその中の最大公約数みたいな要素を念頭に置いているつもりですが、それで正しいという保証はありません。
プロ選手の最も根本的な要件が、「スポーツが上手なこと」であることは疑いを容れません。どんなに人徳があっても、品行方正でも、学業優秀でも、スポーツが上手でない限りまずプロ選手にはなれません。おそらく、お釈迦様やマザー・テレサでも、プロ選手にはなれなかっただろうと思います。
では、「スポーツさえ上手なら、それでいいのか」と考えると、ここからが難問です。人によって見方は様々です。「試合で結果を残していれば、それ以外のことはとやかく言うべきでない」という考え方もあるでしょうけれど、「プロとはあらゆる面で模範となるべき存在。スポーツが上手なことはプロとしての最低限の条件であり、そこに多くの付加価値をつけることができる人こそ、本物のプロ」という見解も有力です。「ファンへのサービス精神こそプロの真髄」かもしれません。それらの折衷案もありえます。絶対的な正解はありません。
現在、いろいろな考えが頭をよぎっています。明確な結論は出ていません。ただ、選手も、関係者も、誰もが絶えず「プロとは」を考え続けることが、(サッカーのみならず)あらゆるプロスポーツの末永い発展のために不可欠であることは間違いありません。時代とともに移ろいゆく部分もあるでしょう。私も、プロスポーツのお手伝いをする身として、今後とも思考停止に陥らないよう、しっかり考え、意見具申し続けていく所存です。
余談ながら、一般の研修と比べたJリーグクラブの研修の大きな特徴として、「通訳の存在」があります。大半のJリーグクラブには外国人選手がいますから、研修の際も通訳の方達が私の言葉を訳してくれます。大体、どのクラブも2~3人くらいの通訳がいて、研修の場ではポルトガル語、英語、韓国語などが同時に飛び交っています。とても賑やかです。こんな状況は一般の研修ではまず経験できません。私も初めは戸惑いましたが、もう慣れました。通訳の方達は結構大きな声で伝える(業務ですから当然のことです)ので、私も負けじと声を張り上げるわけですが、そうやって叫んでいると、「Jリーグクラブに来てるんだ」と実感できます。でも、ずっと伝え続ける通訳の方達も、それを聞き続ける外国人選手達も、きっと大変なのだろうなあ、と何となく申し訳ない気持ちになったりもします。別に私は何も悪いことはしていないわけですけれど・・・。ちなみに、一般の研修でも手話通訳には何度かお会いしたことがありますが、外国語の通訳にはたぶんお目にかかったことがありません。
Jリーグクラブの研修においても、一般の研修同様、私自身がいろいろ有益な問題提起を受けることは少なくありません。今回、選手達とやりとりしている中で考えさせられたのが、「プロスポーツ選手の要件とは何だろう」ということでした。もちろん、これまで様々なスポーツ選手達に接してきた知見などを踏まえ、私自身、日頃からあるべき「プロ選手像」は抱いていますが、それが万全なのか、という懸念が生じました。
Jリーグの選手は誰もが強烈なプロ意識の持ち主ですが、それでも100人の選手がいれば「プロの要件」だって100通りはあるわけです。まして、社会一般においては、捉え方にはさらにばらつきがあります。私自身はその中の最大公約数みたいな要素を念頭に置いているつもりですが、それで正しいという保証はありません。
プロ選手の最も根本的な要件が、「スポーツが上手なこと」であることは疑いを容れません。どんなに人徳があっても、品行方正でも、学業優秀でも、スポーツが上手でない限りまずプロ選手にはなれません。おそらく、お釈迦様やマザー・テレサでも、プロ選手にはなれなかっただろうと思います。
では、「スポーツさえ上手なら、それでいいのか」と考えると、ここからが難問です。人によって見方は様々です。「試合で結果を残していれば、それ以外のことはとやかく言うべきでない」という考え方もあるでしょうけれど、「プロとはあらゆる面で模範となるべき存在。スポーツが上手なことはプロとしての最低限の条件であり、そこに多くの付加価値をつけることができる人こそ、本物のプロ」という見解も有力です。「ファンへのサービス精神こそプロの真髄」かもしれません。それらの折衷案もありえます。絶対的な正解はありません。
現在、いろいろな考えが頭をよぎっています。明確な結論は出ていません。ただ、選手も、関係者も、誰もが絶えず「プロとは」を考え続けることが、(サッカーのみならず)あらゆるプロスポーツの末永い発展のために不可欠であることは間違いありません。時代とともに移ろいゆく部分もあるでしょう。私も、プロスポーツのお手伝いをする身として、今後とも思考停止に陥らないよう、しっかり考え、意見具申し続けていく所存です。
余談ながら、一般の研修と比べたJリーグクラブの研修の大きな特徴として、「通訳の存在」があります。大半のJリーグクラブには外国人選手がいますから、研修の際も通訳の方達が私の言葉を訳してくれます。大体、どのクラブも2~3人くらいの通訳がいて、研修の場ではポルトガル語、英語、韓国語などが同時に飛び交っています。とても賑やかです。こんな状況は一般の研修ではまず経験できません。私も初めは戸惑いましたが、もう慣れました。通訳の方達は結構大きな声で伝える(業務ですから当然のことです)ので、私も負けじと声を張り上げるわけですが、そうやって叫んでいると、「Jリーグクラブに来てるんだ」と実感できます。でも、ずっと伝え続ける通訳の方達も、それを聞き続ける外国人選手達も、きっと大変なのだろうなあ、と何となく申し訳ない気持ちになったりもします。別に私は何も悪いことはしていないわけですけれど・・・。ちなみに、一般の研修でも手話通訳には何度かお会いしたことがありますが、外国語の通訳にはたぶんお目にかかったことがありません。
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by sendanaoto
| 2018-06-09 08:53
| スポーツ選手とのかかわり
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